【ブラタモリ】サンゴ礁の奇跡と碧き海、そして宮古馬と生きる島人の物語【5月17日】

2025年5月14日

NHKの人気番組【ブラタモリ】の2025年5月17日放送回では、沖縄県宮古島が特集されました。

この記事を読めば、タモリさんが巡った宮古島の魅力、特に「宮古ブルー」と称される海の美しさの秘密、サンゴ礁が作り上げた島の成り立ち、そして島の人々と共に生きる在来馬「宮古馬」の物語が深く理解できます。

番組で紹介された池間大橋や東平安名崎といった絶景スポットの地質学的な背景や歴史、荷川取牧場での宮古馬との心温まるふれあい、さらには宮古島の自然と文化を未来へどう繋いでいくかという大切なテーマについても知ることができるでしょう。

宮古島への興味が一層深まること間違いなしです。

ブラタモリ宮古島SP！サンゴが創った奇跡の島へ

今回の【ブラタモリ】では、タモリさん一行が2階建ての観光バスに乗り込み、宮古島の成り立ちの秘密を探る旅に出発しました。

沖縄本島から南西に約300kmに位置するこの美しい島が、どのようにして現在の姿になったのか、その謎を解き明かしていきます。

絶景宮古ブルーの謎！サンゴ礁と大地の秘密とは？

宮古島の海の代名詞ともいえる「宮古ブルー」。

その息をのむような青のグラデーションは、実は島の地質学的な特徴と深く結びついています。

宮古島には大きな川がほとんどなく、土砂が海に流れ込みにくいため、海の透明度が非常に高く保たれているのです。

さらに、海底に広がるのはサンゴのかけらでできた真っ白な砂。

この白い砂が太陽光を効果的に反射・散乱させることで、あの独特の美しい色彩が生み出されます。

宮古島そのものが、サンゴ礁の隆起によって形成された島であることも、この景観を理解する上で欠かせません。

島の表面を広く覆っているのは「琉球石灰岩」という地層で、これは約50万年前から20万年前にかけて、サンゴや有孔虫といった海洋生物の骨格が堆積し固まってできたものです。

島全体が比較的平坦な地形をしているのは、広範囲にわたってサンゴ礁がほぼ均一に堆積し、その後の地殻変動によって全体が水平に近い形で隆起したためです。

まさに地球のダイナミックな活動が生んだ自然の造形といえるでしょう。

池間大橋と東平安名崎！断層と津波が刻む島の記憶

宮古島の魅力を語る上で欠かせないのが、池間大橋と東平安名崎です。

これらは単なる景勝地ではなく、島の成り立ちや歴史を物語る重要な場所です。

宮古本島と池間島を結ぶ池間大橋は、全長1,425メートルを誇り、1992年2月に開通しました。

この橋の建設は、池間島の住民にとって長年の悲願であり、医療アクセスの改善や生活物資の安定供給といった生活環境の向上、そして観光資源としての活用を目的としていました。

橋の中央部が滑らかに盛り上がった美しいアーチラインは、船舶の安全な航行を可能にする機能性とデザイン性を両立させています。

さらに、高欄（手すり部分）には宮古上布の伝統的な星形の模様が施されるなど、地域の文化への敬意も見て取れます。

橋の上からは、まさに「宮古ブルー」の絶景が広がり、多くの観光客を魅了しています。

一方、島の最東端に位置する東平安名崎は、太平洋と東シナ海に向かって約2kmにわたり細長く突き出た岬です。

ここも琉球石灰岩で構成され、雨水による長年の溶食作用によってドリーネ（窪地）やカレンフェルト（石灰岩の溶食地形）といったカルスト地形が発達しています。

岬の先端には1967年に初点灯した平安名埼灯台が立ち、360度の大パノラマを楽しむことができます。

この岬周辺には「津波石」と呼ばれる巨大な岩塊が点在し、これらは1771年に発生した「明和の大津波」によって打ち上げられたものです。

この津波では宮古地方で2500名近くの犠牲者が出たとされ、津波石は自然災害の脅威を静かに伝えています。

また、宮古島には北北西から南南東の方向に何本も平行して走る断層群が存在し、これらの断層活動が東平安名崎の地形形成にも深く関わっています。

タモリさんもメロメロ？宮古馬と島人の温かい絆

宮古島には、沖縄県の天然記念物にも指定されている貴重な在来馬「宮古馬」が生息しています。

体高約110cmから120cmと小柄で、ポニーに分類されることもありますが、粗食にも耐え、重労働もこなす丈夫さを持っています。

何よりその性格は非常に穏やかで人懐っこく、古くは農耕作業や王族の乗用馬として、島の人々の生活に深く関わってきました。

しかし、農業の機械化などによりその数は激減し、一時は絶滅の危機に瀕しました。

番組でタモリさんが訪れた荷川取牧場は、この宮古馬の保護と育成に長年尽力している施設です。

牧場主の荷川取明弘氏は宮古馬保存会の委員も務め、その深い愛情と情熱で多くの子馬を誕生させてきました。

宮古馬保存会では将来的に頭数を100頭に増やすことを目標としており、荷川取牧場はその中心的な役割を担います。

牧場では、宮古馬への餌やり体験や引き馬体験、さらには美しいビーチでの乗馬体験も可能で、訪れる人々に宮古馬との温かい交流の機会を提供しています。

タモリさんも、その愛らしい姿や穏やかな性格に心癒されたことでしょう。

これらの体験は、宮古馬と島の人々との長い歴史的関係性や、種を守り継ぐことの大切さを教えてくれます。

未来へつなげ！宮古島の自然と文化を守るために

宮古島が持つサンゴ礁の隆起によって生まれた特異な地形、美しい「宮古ブルー」の海、そして宮古馬に代表される独自の文化は、かけがえのない財産です。

しかし、これらの貴重な自然や文化は、無配慮な開発や観光客増加による環境負荷、文化変容のリスクと常に隣り合わせにあります。

実際に宮古島市では「環境負荷に配慮した観光モデルの形成が急務」と認識されており、池間島の住民からは「自然環境を守ることが大事。開発させないようにしたい」という切実な声も上がっています。

宮古馬の保存活動も、荷川取牧場のような個人の情熱や宮古馬保存会の尽力、行政の支援によって支えられていますが、その持続可能性には経済的な課題も伴います。

観光客がふれあい体験を通じて支払う料金や協力金は、保存活動を支える重要な資金源の一つとなっています。

私たち訪問者一人ひとりが、この島の自然の摂理や文化の重みを理解し、敬意と感謝の念を持って接することが、この奇跡の島・宮古島の類まれな自然と文化を次の世代へ、そしてさらにその先の未来へとつないでいくために非常に大切です。

タモリさんのように知的好奇心を持ってこの島と向き合うことで、旅はより深く豊かなものとなり、ひいては宮古島の持続可能な発展にも貢献できるのです。