2025年4月24日に放送された日本テレビ系列の情報番組「DayDay.」をご覧になりましたか?
ゴールデンウィークのお出かけ情報として、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんの世界に浸れる展覧会が紹介されていました。
この記事では、番組で特に注目された3冊の絵本、『りんごかもしれない』『つまんない つまんない』『なつみはなんにでもなれる』について、その内容や魅力、なぜ多くの人を惹きつけるのかを詳しく掘り下げていきます。
子どもだけでなく大人の心にも響く、ヨシタケさんのユニークな視点やユーモアの秘密に迫ります。
これらの絵本を読めば、日常が少し違って見えたり、子どもの頃の気持ちを思い出したりするかもしれません。
展覧会への期待も高まることでしょう。
ブロンズ新社『りんごかもしれない』ってどんな絵本?
ヨシタケシンスケさんのデビュー作にして、彼の「発想の転換」の面白さが詰まった一冊が、ブロンズ新社から出版されている『りんごかもしれない』です。
この絵本の魅力は、テーブルの上にあるたった一つのりんごから、無限の「かもしれない」世界を広げていく点にあります。
主人公の少年は、「これは本当にりんごなのか?」という素朴な疑問をきっかけに、「大きなサクランボの一部かも」「中にはメカが詰まっているかも」「宇宙から来た生き物かも」と、奇想天外な想像を繰り広げます。
当たり前だと思っていることを疑い、多角的な視点から物事を捉え直す、その哲学的なアプローチが読者を惹きつけます。
子どもにとっては自分の頭で考えることの面白さを、大人にとっては凝り固まった視点を解きほぐすきっかけを与えてくれます。
ヨシタケさん特有のシンプルでユーモラスな線画が、少年のユニークな思考を分かりやすく表現しており、細かく描き込まれた想像上のりんごの姿を見るだけでも楽しめます。
第6回MOE絵本屋さん大賞第1位、第61回産経児童出版文化賞美術賞など数々の賞を受賞し、累計発行部数は68万部を超える大ヒット作です。
「物の見方が変わった」「親子で哲学対話ができた」といった読者の声も多く、世代を超えて支持されています。
白泉社『つまんない つまんない』が大人にも刺さる理由
次に紹介するのは、白泉社から刊行されている『つまんない つまんない』。
誰もが経験する「退屈」という感情と真正面から向き合った、ユニークな作品です。
この絵本が大人にも深く響く理由は、ネガティブに捉えがちな「つまんない」という感情を肯定し、むしろそれを観察・分析し、遊びの対象にしてしまう点にあります。
退屈を持て余した男の子が、「つまんない」とはどういう状態か、どうすれば抜け出せるかを想像力豊かに探求します。
「つまんない」を分類したり、究極の「つまんない」顔を考えたり、神様を想像したりする姿は、ユーモラスで共感を呼びます。
退屈という抽象的な感情が、ヨシタケさんの手にかかると具体的なイメージとして巧みに視覚化されます。
自分が何に「つまんない」と感じるのかを考えるプロセスは、子どもの自己理解を促すだけでなく、忙しい現代を生きる大人にとっても、内面と向き合う時間の大切さを教えてくれます。
第9回MOE絵本屋さん大賞第2位に輝き、累計発行部数は48万部を突破。
「子どもが『つまんない』と言った時に思い出す」「退屈も悪くないと思えた」など、特に子育て中の親からの共感の声が多いのも特徴です。
予定のない「空白の時間」が持つ、内発的な創造性や思索の価値を示唆しています。
PHP研究所『なつみはなんにでもなれる』で親子の時間
最後に紹介するのは、PHP研究所から出版されている『なつみはなんにでもなれる』。
子どもの豊かな想像力と、それを見守る親の温かい眼差しを描いた、心温まる一冊です。
この絵本の中心にあるのは、子どもの成長に欠かせない「ごっこ遊び(なりきり遊び)」の輝きです。
家に帰ってきた女の子なつみは、コップ、テレビ、ベッドなど、次々と色々なものになりきって、お母さんに「なーんだ?」とクイズを出します。
その変身ぶりは奇想天外で、見ているだけで楽しくなります。
なつみのユニークな「なりきり」に、時に戸惑いながらも一生懸命付き合うお母さんの姿が、親子の間の愛情やつながりをリアルに描き出します。
子どもが遊びを主導し、大人がそれに応答するという、自由な遊びの中で育まれる主体性や発想力の重要性が伝わってきます。
また、完璧ではないけれど娘に寄り添おうとする等身大の母親像も、多くの親の共感を呼んでいます。
第1回未来屋えほん大賞 大賞、第8回この本読んで!親子で読んでほしい絵本 第1位、第8回MOE絵本屋さん大賞 第3位などを受賞し、累計発行部数は40万部を超えています。
「子どものごっこ遊びがリアルで可愛い」「お母さんの気持ちが分かる」といった声が多く、親子のコミュニケーションの素晴らしさを再認識させてくれます。
まとめ:DayDay.紹介のヨシタケシンスケ絵本3選の魅力について
「DayDay.」で紹介されたヨシタケシンスケさんの絵本、『りんごかもしれない』『つまんない つまんない』『なつみはなんにでもなれる』は、それぞれ異なる角度から日常に潜む面白さや哲学、そして親子の温かな時間を描いています。
発想の転換、退屈との向き合い方、想像力の素晴らしさといったテーマは、子どもから大人まで、世代を超えて多くの人々の心を掴んでいます。
これらの絵本は、ゴールデンウィークに開催される展覧会のテーマとも深く連動しており、読むことで展覧会への期待も一層高まるはずです。
ぜひ手に取って、ヨシタケシンスケさんのユニークな世界に触れてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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