2025年4月28日にNHK Eテレ『きょうの料理』で放送された「大型連休のワクワクごちそう」特集、ご覧になりましたか?
料理家の栗原心平さんが紹介した「ジューシー肉ギョーザ」は、その名の通り、噛むとジュワッと肉汁があふれ出す、まさに感動ものの一品です。
この記事を読めば、栗原心平さん流「ジューシー肉ギョーザ」の詳しい材料と、あの驚きの肉汁を生み出す秘密、そして家庭で失敗なく美味しく作るための具体的な手順やコツがわかります。
大型連休はもちろん、普段のごはんにも、ぜひ挑戦してみませんか?
驚きの肉汁!栗原心平流ジューシー肉ギョーザ紹介
今回ご紹介するのは、料理家・栗原心平さんがNHK『きょうの料理』で披露した、特別な日の食卓を彩る「ジューシー肉ギョーザ」です。
大型連休のような人が集まる機会に、「ギョーザパーティはいかがですか?」という提案と共に紹介されました。
このギョーザの最大の魅力は、何と言ってもそのジューシーさ。
豚ひき肉の旨味に加え、ある工夫によって、まるで小籠包のように豊かな肉汁が閉じ込められています。
一緒に紹介された「キャベツたっぷりギョーザ」とは対照的に、肉の存在感をしっかり楽しめる一品です。
秘密はゼラチン!ジューシー肉ギョーザの材料リスト
このギョーザの核心とも言える「ジューシーさ」は、特別な材料【A】によって生み出されます。
一見すると普通の材料リストですが、その組み合わせと使い方に秘密があります。
約20個分の材料を見ていきましょう。
- 【A】粉ゼラチン 小さじ1/3 (1g):肉汁の素となるスープを固める主役。
- 【A】顆粒チキンスープの素(中華風) 小さじ1/2:肉汁に深いうま味を加えます。
- 【A】水 カップ1/4:スープのベースとなります。
【A】の材料は、まず加熱して完全に溶かし、その後冷蔵庫で冷やし固めてゼリー状にします。
このゼリーが、焼く工程で溶け出し、ジューシーな肉汁へと変化するのです。
ゼラチンは動物の結合組織に含まれるコラーゲンから作られるタンパク質で、温めると溶けて液体になり、冷やすと網目構造を作って固まる(ゲル化する)性質を持っています。
この性質を巧みに利用して、うま味たっぷりのスープを餡の中に閉じ込めているわけです。
- 【B】豚ひき肉 200g:ギョーザの主役。旨味と食感のベース。
- 【B】ねぎ(みじん切り) 30g:爽やかな香りで風味を引き締めます。
- 【B】生しいたけ(みじん切り) 2枚分 (40g):特有のうま味成分(グアニル酸)で味わいに深みを与えます。
- 【B】ゆでたけのこ(みじん切り) 40g:シャキシャキとした食感がアクセントになります。
- 【B】しょうが(みじん切り) 10g:ねぎと共に香味野菜として風味を高めます。
- 【B】酒 大さじ1と1/2:肉の臭みを消し、風味を加えます。
- 【B】しょうゆ 大さじ1/2:基本的な塩味とうま味を加えます。
- 【B】みりん 大さじ1/2:優しい甘みと照りを与えます。
- 【B】オイスターソース 大さじ1/2:牡蠣のうま味が凝縮され、コク深い味わいになります。
- 【B】塩 小さじ1/4:味全体のバランスを整えます。
- 【B】黒こしょう(粗びき) 適量:ピリッとした刺激と香りがアクセント。「粗びき」指定で存在感をプラス。
- ギョーザの皮 大判約20枚:たっぷりの餡と肉汁を包むため、「大判」サイズが重要です。
- 黒酢 適宜:付け合わせ用。さっぱりと味を引き締めます。
- サラダ油 適量:焼き上げ用に使用します。
【B】の材料群は、ギョーザの餡の本体となります。
豚ひき肉をベースに、風味豊かな野菜と、複数の調味料が絶妙なバランスで配合されています。
特に、オイスターソースが加わることで、家庭料理ながら本格的な中華の風味を感じさせる仕上がりになります。
また、ギョーザの皮に「大判」を指定している点もポイントです。
たっぷりの餡、特に後から加わるゼラチン(肉汁の素)をしっかりと包み込むためには、大きめの皮が必要不可欠。
これにより、調理中に皮が破れてせっかくの肉汁が流れ出るのを防ぎ、食べた時の満足感を高めます。
失敗しない!ジューシー肉ギョーザのおいしい作り方
ジューシー肉ギョーザを成功させるには、いくつかの重要な工程があります。
一つ一つの手順を丁寧に、ポイントを押さえて作っていきましょう。
初心者の方でも、この手順通りに進めれば、お店のような肉汁あふれるギョーザが作れます。
- 工程1:ゼラチン準備 小さな鍋に【A】の顆粒チキンスープの素と水を入れ中火で溶かし、粉ゼラチンを加えてよく混ぜて溶かします。完全に溶けたら容器に移し、冷蔵庫でしっかりと冷やし固めます。
最初のステップは、肉汁の素となるゼラチンスープの準備です。
ここでゼラチンを完全に溶かしきることが大切です。
溶け残りがあると、均一なゼリーにならず、食感にも影響します。
加熱しすぎるとゼラチンの固まる力が弱まることがあるので、沸騰させすぎないように注意しましょう。
冷蔵庫で完全に固まるまで、時間には余裕を持ってください。
この固まったゼリーが、後の工程で餡と混ぜ合わせやすくなります。
- 工程2:餡の準備 ボウルに【B】の全材料(豚ひき肉、刻んだ野菜、調味料)と、工程1で冷やし固めたゼラチンを入れます。ゼラチンはスプーンなどで軽く崩してから加えると混ざりやすいです。そして、粘りが出るまで手でよく混ぜ合わせます。
次に餡を作ります。
ここでの最重要ポイントは「粘りが出るまでよく混ぜる」ことです。
これは単に材料を均一にするだけでなく、科学的な理由があります。
豚ひき肉に含まれるタンパク質、特にミオシンは、塩分(しょうゆや塩)と共に練り混ぜられることで、網目状の構造を形成します。
この網目構造が、肉のうま味や水分、そして加えたゼラチン(溶けると肉汁になる)をしっかりと抱え込み、ジューシーさを保つ役割を果たします。
粘りが出るまで混ぜることで、餡全体が一体となり、焼いたときに肉汁が流れ出しにくく、食べた時の食感も良くなります。
固形のゼラチン片が餡全体に均等に行き渡るように意識して混ぜましょう。
- 工程3:包む工程 大判のギョーザの皮の縁に、指で水をぐるりと一周つけます。中央に工程2で作った餡を等分(約20個分)にのせます。皮を半分に折り、ひだを丁寧に寄せながら、空気を抜くようにして「ピッチリ」と隙間なく閉じます。
包む工程で最も大切なのは、隙間なく「ピッチリ」と閉じることです。
このギョーザは焼くと中にたっぷりの液体(肉汁)が生まれるため、少しでも隙間があると、蒸し焼きの際にそこから貴重な肉汁が漏れ出してしまいます。
それではゼラチンを加えた意味が半減してしまいます。
ひだを寄せながら、指で皮の縁をしっかりと押さえて、完全に密封するように心がけてください。
大判の皮を使うことで、餡を多めに詰めても比較的包みやすいはずです。
- 工程4:焼く工程 フライパンにサラダ油(大さじ1/2~1)を熱し、③のギョーザを並べます。強めの中火にかけ、底面に焼き色をつけます。「チリチリ」と音がしてきたら、水(カップ1/4~1/2)を加え、すぐに蓋をします。火力を中火に落とし、約4分間蒸し焼きにします。水分がほとんどなくなったら蓋を取り、残った水分を飛ばしながら、底面がカリッとなるまで焼き上げます。
最後の焼き工程は、美味しさを決定づける重要なステップです。
3段階に分けて考えましょう。
1. 焼き色付け:まず強めの中火で底面に香ばしい焼き色をつけます。
これは風味と食感のアクセントになります(メイラード反応)。
2. 蒸し焼き:水を加えて蓋をし、中火で蒸し焼きにします。
この蒸気で皮全体と餡に火を通します。
同時に、餡の中のゼラチンが溶けて肉汁が生まれます。
約4分という時間は、餡にしっかり火を通し、ゼラチンを溶かすための目安です。
水の量はフライパンの大きさや一度に焼く量で調整してください。
3. 仕上げ:蓋を取って水分を飛ばし、底面をカリッとさせます。
蒸された皮のもちもち感と、焼かれた底面のカリッとした食感のコントラストが生まれます。
焦がさないように火加減を見ながら、好みの焼き加減に仕上げてください。
焼きあがったら、器に盛り付け、お好みで黒酢を添えて完成です。
まとめ:栗原流ジューシー肉ギョーザの魅力について
NHK『きょうの料理』で栗原心平さんが紹介した「ジューシー肉ギョーザ」は、ゼラチンを使って肉汁を閉じ込めるという工夫で、驚くほどのジューシーさを実現した一品です。
大判の皮でたっぷりの餡を包み、丁寧な工程で作ることで、家庭でも本格的な味わいが楽しめます。
ぜひ、このレシピで感動の肉汁体験をしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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