2025年4月29日にNHK『きょうの料理』で料理研究家・水野仁輔さんが紹介し、話題を呼んだ「スパイスでつくる家族カレー」。
その最大の特徴は、なんと「煮てから炒める」という、これまでの常識を覆す新しい作り方にあります。
なぜそんな逆の手順で?
本当に美味しくなるの?
と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな水野仁輔さん流「スパイスでつくる家族カレー」の魅力に迫ります。
家庭にあるようなシンプルな材料リストから、驚きの5ステップで作る詳しいレシピ、そして「煮てから炒める」理由まで、これを読めば全てわかります。
さあ、あなたも新しいカレーの世界を体験してみませんか?
きょうの料理発!水野仁輔さんの新発想「家族カレー」
『きょうの料理』で料理研究家・水野仁輔さんが披露したのは、まさにカレー作りの新時代を予感させる一品でした。
私たちが慣れ親しんだ「具材を炒めてから煮込む」という手順とは真逆の、「煮てから炒める」という驚きのメソッドを採用しています。
このユニークなアプローチにより、家庭でも手軽に、スパイスの香り高さと素材の深い旨味を両立させた本格的なカレーが作れるのです。
意外とシンプル?スパイス家族カレーの材料
この革新的なカレーですが、使う材料は意外なほど家庭的でシンプルです。
スーパーで手軽に揃えられるものばかりなのも嬉しいポイント。
ここでは3~4人分の材料をご紹介します。
まずは主役となる具材と香味野菜です。
- 鶏もも肉: 2枚(500g)。ジューシーでカレーと相性抜群。少し大きめの一口大に切ることで、食べ応えも出ます。
- たまねぎ: 1個(200~250g)。甘みと旨味のベースに。8等分のくし形切りにします。
- トマト: 大1個(180~200g)。酸味と旨味を加えます。ヘタを取り、一口大の乱切りに。
- にんにく・しょうが: 各1かけ。カレーに欠かせない香味野菜。すりおろして、香りを全体に行き渡らせます。
これらの基本的な材料が、カレーの土台となる味をしっかりと支えます。
次に、味付けの基本となる【A】グループです。
- 水: カップ1。具材を煮込むための水分です。
- 塩: 小さじ1。全体の味を引き締めます。
- しょうゆ: 小さじ1。日本の家庭料理にも馴染み深い調味料。これが加わることで、どこかホッとする和の風味がプラスされます。
水、塩、そして隠し味のしょうゆ。
このシンプルな組み合わせが、煮込み段階で素材の味を引き立てます。
そして、香りの決め手となる【B】グループです。
- サラダ油: 大さじ2。スパイスの香りを引き出すための重要な役割を担います。
- カレー粉: 大さじ2。多くのスパイスがブレンドされた、カレー作りの定番。これ一つで基本的なカレーの風味が決まります。
- ガラムマサラ: 小さじ1。シナモン、クローブ、カルダモンなどがブレンドされたインドのミックススパイス。仕上げに使うことで、複雑で華やかな香りを加えます。
使うスパイスは、広く普及しているカレー粉とガラムマサラの2種類だけ。
多くのスパイスを揃える必要がないため、家庭でも挑戦しやすい構成です。
シンプルながら、使うタイミングと方法で驚くほど香りが引き立ちます。
最後に、盛り付け用です。
- 温かいご飯: 適量。炊き立てを用意しましょう。
まさかの逆順!「煮てから炒める」驚きの作り方
さあ、いよいよこのレシピ最大の特徴である「煮てから炒める」作り方のステップを見ていきましょう。
全5工程で完成します。
なぜこの順番なのか、それぞれの工程が持つ意味を知ると、より一層このカレーの奥深さが理解できるはずです。
工程1: 下準備
まず、材料の下ごしらえから始めます。
たまねぎは8等分のくし形、トマトはヘタを取って一口大の乱切り、鶏肉は少し大きめの一口大にカットします。
にんにくとしょうがは、すりおろしておきましょう。
この準備が、後の工程をスムーズに進めるための第一歩です。
工程2: 煮込み – 旨味を引き出す
ここが最初のポイント。
鍋に、下準備した鶏肉、たまねぎ、トマト、そしてすりおろしたにんにくとしょうがを全て入れます。
そこへ【A】の材料、つまり水カップ1、塩小さじ1、しょうゆ小さじ1を加えます。
鍋を強火にかけ、沸騰させましょう。
沸騰したら火力を中火に落とし、ふたをして10分から15分間、コトコトと煮込みます。
この「先に煮込む」工程によって、鶏肉や野菜から旨味がじっくりと溶け出し、水と調味料が一体となった美味しい「煮汁」が作られます。
これがカレー全体の味のベースとなるのです。
工程3: 煮汁の分離 – 次の工程への準備
煮込みが終わったら、鍋を火から一旦下ろします。
そして、ここが非常にユニークなステップ。
鍋の中身をヘラなどで軽く押さえつけながら、煮汁だけを別のボウルにていねいに取り分けます。
具材は鍋に残してください。
なぜこんなことをするのか?
それは、次の「炒める」工程で具材が水っぽくなるのを防ぎ、スパイスの香りを最大限に引き出すためです。
分離した旨味たっぷりの煮汁は、最後の仕上げに使うので大切に取っておきます。
工程4: 炒め – 香りを爆発させる
具材だけが残った鍋を、再び中火にかけます。
鍋に残っている余分な水分を少し飛ばすように軽く炒めます。
水分が飛んだら、【B】の材料、すなわちサラダ油大さじ2、カレー粉大さじ2、ガラムマサラ小さじ1を一気に加えます。
ここが香りを立たせるクライマックス!
全体を混ぜ合わせながら、2~3分間、焦がさないように注意して炒めます。
油とスパイスを直接加熱することで、スパイスに含まれる香り成分、特に油に溶けやすい性質を持つものが効率よく油に移り、鮮烈でフレッシュな香りが一気に立ち昇ります。
カレー粉だけでなく、香りが飛びやすいガラムマサラもこの段階で加えるのが、水野流のポイントです。
工程5: 仕上げ – 旨味と香りの融合
スパイスの良い香りが十分に引き立ったら、いよいよ最終段階です。
工程3で取り分けておいた、旨味が凝縮された煮汁を鍋に戻し入れます。
全体をよく混ぜ合わせ、再び火にかけましょう。
混ぜながら加熱し、全体がなじんで煮立ってきたらOK。
ここで少し煮詰めることで、カレーソースの濃度を調整できます。
好みのとろみがついたら火を止めます。
これで、「煮込み」で得られた深い旨味と、「炒め」で引き出された鮮烈な香りが完璧に融合した、新しいタイプのカレーが完成です。
温かいご飯を器に盛り、出来立てのカレーをかけて、熱々を召し上がれ!
まとめ:煮てから炒める新発想カレーについて
今回は、2025年4月29日放送のNHK『きょうの料理』で料理研究家・水野仁輔さんが紹介した、画期的な「スパイスでつくる家族カレー」のレシピをご紹介しました。
最大の特徴である「煮てから炒める」という調理法は、まず煮込むことで素材の旨味を最大限に引き出し、次にスパイスと油を炒めることで香りを際立たせるという、味と香りの両立を狙った合理的なメソッドです。
使う材料は比較的手に入りやすく、スパイスもカレー粉とガラムマサラの2種類とシンプルながら、作り方の工夫で驚くほど本格的な味わいが楽しめます。
ぜひこの新発想のカレーをご家庭で試してみて、その美味しさを体験してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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