2025年5月8日にNHK総合の番組『あさイチ』で放送された特集「今が見ごろ!富山のオオタニサ〜ン!まっしろモフモフな希少動物」。
この特集では、息をのむような立山黒部アルペンルートの絶景、愛らしい希少動物ライチョウとの出会い、そして富山県ならではのユニークな食文化が紹介されました。
この記事を読めば、番組のコーナー「愛でたいnippon」で取り上げられた富山県の春の魅力、例えば、天に迫る雪の壁「雪の大谷」の秘密や、期間限定の雪原散策、世紀の難工事を経て完成した黒部ダムの壮大さ、一年中チューリップが咲き誇る花の楽園、さらには県民に深く愛される昆布料理の奥深さまで、その輝きを余すところなく知ることができます。
富山のまだ見ぬ一面を発見し、実際に訪れたくなるような情報が満載です。
あさイチ 愛でたいnippon:富山のオオタニサ〜ン!
今回の「愛でたいnippon」では、春爛漫の富山県が誇る素晴らしい自然や文化にスポットライトが当てられました。
まさに「オオタニサ〜ン!」と叫びたくなるような、世界に誇るべき富山の魅力の数々をご紹介します。
天に迫る!雪の大谷 圧巻の純白回廊とは?
立山黒部アルペンルートの春のハイライトといえば、何と言っても「雪の大谷」です。
この巨大な雪の壁はどのようにしてできるのでしょうか。
その圧倒的なスケールと成り立ちの秘密に迫ります。
2025年シーズン、4月14日の全線開通時点で雪の壁の高さは最大16メートルにも達しました。
これは5階建てのビルに相当する高さで、全てがその冬に降り積もった天然の雪だけで形成されています。
過去には2000年4月20日に20メートルという記録的な高さになったこともあります。
この巨大な雪の壁が続くのは、標高2,450メートルの室堂ターミナルから約500メートル下った「大谷」と呼ばれる、特に積雪量が多い吹きだまりの区間です。
この雪の回廊を作り出す除雪作業は、まさに職人技と最新技術の融合です。
GPSで雪に埋もれた道路の位置をミリ単位で正確に特定し、大型のロータリー除雪車やブルドーザーが慎重に雪を削り取り、わずか12日間ほどで美しい雪の壁を出現させます。
雪壁の断面は、降雪や気温の変化が刻まれた「雪のカレンダー」とも呼ばれ、その冬の気象記録を物語っています。
4月15日から6月25日までの期間限定で開催される「雪の大谷ウォーク」では、この雪の壁を間近で体験できます。
会える?純白モフモフ「雪の精霊」ライチョウ
立山室堂平は、国の特別天然記念物であり富山県の県鳥でもあるライチョウの貴重な生息地です。
「雪の精霊」とも呼ばれる、その愛らしい姿に出会うための情報をお届けします。
ライチョウは日本の高山帯のみに生息する鳥で、氷河期からの生き残りともされています。
冬の間は捕食者から身を守るため、羽毛が純白に生え変わります。
この羽毛は密度が高く空気を含むため、「まっしろモフモフ」とした姿になるのが特徴です。
特に足の指先まで羽毛で覆われるのは、日本の鳥類ではライチョウだけです。
立山室堂平は日本有数のライチョウ生息密度が高い場所で、特に春(4月~6月)はオスが縄張り活動で目立つため遭遇チャンスが増えます。
主な餌は高山植物の芽や葉、冬期はハイマツの葉などです。
繁殖期のオスの鳴き声は「グェー、グェー」と特徴的です。
ライチョウは近年個体数が減少しており、環境省や富山県などが保護増殖事業を進めています。
観察する際は、静かに遠くから見守り、遊歩道以外への立ち入りは厳禁といったマナーを守ることが大切です。
5月末まで限定!室堂平で感動の雪上散歩
室堂平では、春ならではの特別な体験が待っています。
それは、残雪が豊富な5月末頃まで許される雪原歩行です。
普段は立ち入りが制限されるエリアも、この時期は比較的自由に散策できます。
4月から6月にかけての室堂平は深い雪に覆われ、見渡す限りの銀世界を自由に歩き回ることができます。
特に「雪の大谷」と合わせて整備される「パノラマロード」は、室堂ターミナルから大谷までの雪原を歩きながら360度の絶景を堪能できる人気コースです。
雪上散策には、防水性の高い滑りにくい靴、サングラス、防寒着、雨具などが必須です。
標高2,450メートルの気温は低いため、レイヤードスタイルで体温調節をしましょう。
ただし、どこでも歩けるわけではなく、地獄谷周辺やライチョウ保護区域など立入禁止区域があります。
「室堂平の積雪期利用ルールマップ」で事前に確認し、植生が露出している場所への踏み込みは避けましょう。
みくりが池周辺のコースなどが人気で、ガイドツアーに参加するのもおすすめです。
黒部ダム!世紀の難工事とド迫力の観光放水
日本を代表する巨大ダム、黒部ダム。
その建設は「世紀の難工事」として知られ、多くのドラマを生み出しました。
壮大なスケールと迫力の観光放水は必見です。
黒部ダムは、戦後の電力不足解消のため関西電力によって建設された国家的なプロジェクトでした。
資材運搬用トンネル工事中に遭遇した「破砕帯」は最大の難関で、毎秒660リットルもの地下水と土砂が噴出しました。
わずか80メートルのこの区間を突破するのに7ヶ月を要し、この苦闘は映画『黒部の太陽』でも描かれています。
建設には7年の歳月と当時の金額で513億円、延べ1,000万人の労働力が投じられ、1963年に竣工しましたが、171名の尊い命が失われました。
堤高186メートル、堤頂長492メートルは日本最大級のアーチ式コンクリートダムです。
毎年6月26日から10月15日に行われる観光放水では、毎秒10トンから15トン以上の水が轟音とともに流れ落ちます。
晴れた日の午前中には、放水に美しい虹がかかることもあります。
ダム展望台や新展望広場レインボーテラスなど、絶景スポットも多数整備されています。
驚きの連続!天空を繋ぐアルペンルートの乗り物
立山黒部アルペンルートの魅力は、絶景だけではありません。
標高差約2,000メートルを踏破するために乗り継ぐ多種多様な乗り物群も、忘れられない体験となるでしょう。
富山県側の立山駅からは、まず平均勾配24度の急斜面を登る立山ケーブルカー(所要約7分)で美女平へ。
車両後部にはダム建設時の名残である荷台が付いています。
美女平からは立山高原バス(所要約50分)で室堂へ。
弥陀ヶ原や称名滝を遠望しながら標高差約1,500メートルを駆け上がります。
室堂と大観峰を結ぶのは、2025年4月に運行を開始した立山トンネル電気バス(所要約10分)。
日本一標高の高い場所を走る電気バスです。
大観峰から黒部平へは、支柱なしワンスパン方式では日本最長の立山ロープウェイ(所要約7分)で空中散歩。
黒部平から黒部湖駅へは、日本唯一全線地下式の黒部ケーブルカー(所要約5分)で進みます。
長野県側からは、扇沢駅と黒部ダム駅を関電トンネル電気バス(所要約16分)が結びます。
これらの乗り物は、環境への配慮とユニークな体験提供を両立させています。
一年中満開!砺波チューリップ四季彩館の秘密
富山県は日本有数のチューリップ球根の産地。
砺波市にある「チューリップ四季彩館」では、なんと一年365日、いつでも満開のチューリップが出迎えてくれます。
その魔法のような技術とは何でしょうか。
この「一年中咲くチューリップ」を実現しているのは、独自の開花調整技術です。
球根に冷蔵処理や冷凍処理を施して休眠をコントロールし、植え付け後の温度・湿度・日照を精密に調整することで、意図した時期に開花させます。
館内には、常に満開のチューリップと季節の花々が共演する「ワンダーガーデン」、360度チューリップに囲まれる「チューリップパレス」、球根の秘密を学べる「アンダーファーム」などがあります。
「アンダーファーム」の「球根シアター」では、自分が球根になったようなユニークな映像体験ができます。
常時約100品種、数千本のチューリップが展示され、富山県が育成した「黄小町」や「乙女のドレス」といったオリジナル品種にも出会えます。
「黄小町」は鮮やかな黄色の一重咲きで、1982年に発表されオランダでも品種登録されました。
「乙女のドレス」は2021年発表の新しい品種で、藤色の八重フリンジ咲きが特徴。
2022年の国際園芸博覧会で金賞を受賞しています。
富山県民なぜ?深すぎる昆布愛と北前船の謎
富山県は昆布がほとんど採れないにも関わらず、昆布の年間購入金額で全国トップクラスを維持しています。
この「昆布王国」とも呼ばれる現象の背景には、どのような歴史があるのでしょうか。
富山市の一世帯当たりの昆布年間購入金額は長年全国1位を記録し、2023年分でもブリと並び1位に輝いています。
県内のスーパーでは昆布だけで大きな棚が埋まり、その種類は120品目以上にも及びます。
この昆布文化のルーツは、江戸時代から明治にかけて活躍した「北前船」と深く結びついています。
北前船は北海道の昆布を富山の伏木港や岩瀬港へ運び、富山からは米や薬などが運ばれました。
また、明治時代以降、多くの富山県民が北海道へ移住し、昆布漁や加工に従事しました。
彼らが故郷へ昆布を送ったことも、家庭での昆布消費を拡大させました。
富山県民にとって昆布は「食べるため」の食材であり、学校給食にも登場するほど生活に浸透しています。
まとめ:あさイチで紹介された富山の魅力について
NHK『あさイチ』で紹介された富山県の魅力は、立山黒部アルペンルートの壮大な自然、可憐なライチョウ、歴史と技術が詰まった黒部ダム、色鮮やかなチューリップ、そして奥深い昆布文化と、多岐にわたりました。
これらの情報は、富山への旅心をくすぐるものばかりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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