2025年4月23日放送のNHK『きょうの料理』、「満喫!なにわの”食い味”」コーナーで紹介され話題となった「鶏肉の柑橘くわ焼き」。
大阪の伝統的な味わいをベースにしつつ、グレープフルーツなどの柑橘を使った爽やかで現代的なアレンジが光る一品です。
この記事を読めば、番組で紹介された「鶏肉の柑橘くわ焼き」の詳しい材料と、失敗しないための作り方のポイントが分かります。
家庭でも手軽に再現できるように工夫されたレシピなので、ぜひ参考にして、なにわの新しい味覚をご家庭の食卓で楽しんでみてくださいね。
鶏肉の柑橘くわ焼き!今日の料理発なにわの新定番?
大阪の食文化といえば、粉もんやお好み焼きが有名ですが、かつては合鴨料理も親しまれていました。
「くわ焼き」は、その名の通り農具の鍬(くわ)で野鳥などを焼いたのが始まりとも言われる調理法ですが、今では甘辛いたれで焼く料理を指します。
このレシピは、そんな大阪の食の歴史を踏まえつつ、手に入りやすい鶏もも肉を使い、グレープフルーツや粒マスタードといった意外な食材を組み合わせて現代風に進化させたものです。
伝統と新しさが融合した、まさに「なにわの新定番」になりそうな魅力あふれる料理ですよ。
【材料チェック】鶏肉の柑橘くわ焼きに必要なものは?
この料理の美味しさは、個性豊かな食材たちの絶妙なハーモニーによって生まれます。
主役の鶏肉はもちろん、脇を固める野菜や果物、そして味の決め手となるたれの材料まで、一つ一つに役割があります。
ここでは、2人分の材料を詳しく見ていきましょう。
- 鶏もも肉 : 100g:適度な脂があり、焼いても硬くなりにくいもも肉が最適です。
- 大根 : 150g:皮をむき、2cm厚さの輪切りにして格子状に切り込みを入れ、いちょう形に切ります。このひと手間で火の通りがよくなり、味も染み込みやすくなります。
- グレープフルーツ : 1個:皮と薄皮を取り除き、果肉だけを取り出す「シュプリームカット」で準備します。レシピでは赤いものが使われていましたが、黄色いものや、はっさく、夏みかんなど、季節の柑橘でアレンジするのも楽しいですね。
- グリーンアスパラガス : 3本:根元の硬い皮をピーラーでむき、食べやすい4cm長さにカットします。
- スナップえんどう : 10本:筋を取り、両端を切り落としておきます。緑が鮮やかで、食感のアクセントにもなります。
- 基本のたれ : 昆布だし、みりん各大さじ1と2/3、うす口しょうゆ大さじ1と1/3、酒大さじ1、砂糖小さじ1:これらをあらかじめ混ぜ合わせておくと調理がスムーズです。昆布だしが料理全体に「まったりとした」深い味わいを与えます。
- はちみつ : 10g:砂糖とは違う、まろやかな甘さとコクをプラスします。ただし、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、注意が必要です。
- 粒マスタード : 小さじ2:ピリッとした辛味と爽やかな酸味が、全体の味を引き締める重要なアクセントです。
- その他 : 塩少々(野菜茹で用)、片栗粉適量(鶏肉用)、サラダ油大さじ1/2(炒め焼き用)、あればディル適宜(仕上げ用)。ディルがあると、見た目も香りもより一層おしゃれになります。
これらの材料が組み合わさることで、昆布だしの旨味をベースにした「まったりとした甘辛さ」に、グレープフルーツの爽やかな酸味とほのかな苦味、粒マスタードの刺激が加わり、複雑で飽きのこない、後味すっきりの味わいが完成します。
甘味、塩味、旨味、酸味、辛味のバランスが絶妙です。
失敗しない!鶏肉の柑橘くわ焼き【作り方のポイント】
「鶏肉の柑橘くわ焼き」を家庭で美味しく作るには、いくつかの手順とコツがあります。
下ごしらえから仕上げまで、食材の持ち味を最大限に引き出すためのポイントを押さえていきましょう。
難しい工程はありませんので、安心して挑戦してみてください。
- 下ごしらえ1(柑橘・青野菜) : グレープフルーツは丁寧に果肉を取り出します。口当たりが格段に良くなります。アスパラガスとスナップえんどうは下処理後、塩少々を加えた熱湯で短時間(サッと)茹で、すぐに冷水に取ります。この「ブランチング」という工程で、鮮やかな緑色とシャキシャキの食感を保つことができます。
- 下ごしらえ2(大根・鶏肉) : 大根は格子状の切り込みを入れてから耐熱皿に並べ、ふんわりラップをして電子レンジ(600W)で3分間加熱します。これで火の通りが早くなり、フライパンでの調理時間が短縮でき、中まで柔らかく味が染み込みやすくなります。鶏肉は一口大に切り、片栗粉を薄くまぶします。焼いたときの香ばしい焼き色を付け、肉の旨味を閉じ込め、さらにたれに適度なとろみをつける効果があります。余分な粉はしっかり叩き落とすのがポイントです。
- たれの準備 : 基本のたれ(昆布だし、みりん、醤油、酒、砂糖)はあらかじめボウルに合わせておくと、調理中に慌てずに済みます。風味を活かしたいはちみつと粒マスタードは、ここでは混ぜずに後の工程で加えます。
- 焼き上げ : フライパンにサラダ油大さじ1/2を熱し、中火で下準備した大根と鶏肉を並べ入れます。両面に美味しそうな焼き色がつき、鶏肉にしっかり火が通るまで焼きましょう。ここで重要なコツは、鶏肉から出てきた余分な脂をキッチンペーパーなどでこまめに拭き取ることです。これにより、たれの味がぼやけるのを防ぎ、くどさのないさっぱりとした仕上がりになります。
- たれの投入 : 大根と鶏肉に火が通ったら、準備しておいた基本のたれを加えます。アルコール分を飛ばすように、少し煮立てるのが良いでしょう。
- 仕上げ1(野菜) : たれが少し煮詰まってとろみが出てきたら、水気をよく切ったアスパラガスとスナップえんどうを加えます。これらは既に火が通っているので、温める程度で十分です。このタイミングで加えることで、野菜の食感と色合いが損なわれるのを防ぎます。
- 仕上げ2(風味付け) : 次に、はちみつと粒マスタードを加えて全体に手早く混ぜ合わせ、味に深みとパンチのあるアクセントを加えます。
- 仕上げ3(柑橘) : 最後に準備しておいたグレープフルーツの果肉を加えます。ここが最大のポイントで、加熱しすぎると果肉が崩れて水分が出過ぎ、せっかくの酸味が飛んでしまうため、「サッと火を通す」ことを意識してください。温める程度に留めることで、ジューシーさと爽やかな風味を最大限に保てます。
- 盛り付け : 全体が温かく馴染んだら、器に彩りよく盛り付けます。鶏肉、大根、緑の野菜、そして鮮やかなグレープフルーツが美しく見えるように配置しましょう。あれば仕上げにディルを添えると、見た目も香りもぐっと引き立ち、お店で出てくるような一皿になります。
これらのポイント、特に大根の予備加熱による時短と味染み、鶏肉の片栗粉コーティングと余分な脂の拭き取り、そして加熱済みの野菜やフレッシュなグレープフルーツを加えるタイミングをずらすこと。
これらを守ることで、それぞれの食材が持つ最高の食感(大根の柔らかさ、鶏肉の香ばしさ、野菜のシャキシャキ感、グレープフルーツのジューシーさ)が損なわれず、一つの料理として見事に調和した美味しさを実現できます。
まとめ:鶏肉の柑橘くわ焼きの魅力と作り方について
今回は、2025年4月23日放送のNHK『今日の料理』で紹介された、なにわの新感覚料理「鶏肉の柑橘くわ焼き」のレシピをご紹介しました。
伝統的な「くわ焼き」の良さを活かしつつ、鶏肉とグレープフルーツ、粒マスタードなどを組み合わせた、甘酸っぱくて爽やかな味わいが魅力です。
丁寧な下ごしらえと、食材を加えるタイミングに少し気をつければ、ご家庭でも本格的な美味しさを再現できますよ。
ぜひこのレシピを参考に、食卓に新しい風を吹かせてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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