2025年5月5日にNHK『今日の料理』で放送された「まだまだやれる!鶏肉レシピ」特集は、毎日の食卓に新たな鶏肉料理のアイデアを提供してくれる素晴らしい内容でした。
特に料理研究家・藤野嘉子さんが紹介した「鶏スペアリブのにんにく焼き」は、手軽に入手できる鶏手羽中を使いながらも、お店で食べるような本格的な味わいを家庭で再現できる注目のレシピです。
この記事を読めば、そのパンチの効いた美味しさの秘密、誰でも簡単に作れる具体的な手順、そして鶏スペアリブという部位の魅力や栄養、さらには調理の科学的なコツまで詳しく分かります。
にんにくとバターの香りが食欲をそそるこの一皿で、いつもの鶏肉料理をグレードアップさせてみませんか。
今日の料理 鶏スペアリブのにんにく焼き「まだまだやれる!鶏肉レシピ」特集
この日の『今日の料理』では、「まだまだやれる!鶏肉レシピ」と題し、マンネリ化しがちな鶏肉料理の新たな可能性を探る企画が放送されました。
骨付き肉ならではの旨味や調理の楽しさを再発見させてくれる内容で、日々の献立のヒントが満載でした。
藤野嘉子流!絶品鶏スペアリブにんにく焼き
藤野嘉子さんが教えてくれた「鶏スペアリブのにんにく焼き」は、にんにくの風味とバターのコクがたまらない、ご飯にもお酒にもぴったりの一品です。
主役の「鶏スペアリブ」とは、鶏の手羽中(中手羽)を骨に沿って縦半分にカットしたもので、骨が1本だけになるため非常に食べやすく、また表面積が増えることで味が染み込みやすいという利点があります。
JA全農チキンフーズも「手羽中半割」や「手羽中ハーフ」と同じものとして紹介しており、スーパーでも手軽に見つけられます。
この料理は美味しさだけでなく、栄養面でも注目です。
鶏手羽肉100gあたり約189kcalとエネルギーはやや高めですが、良質なたんぱく質を17.8g含み、脂質14.3gの中には体に必要な不飽和脂肪酸も含まれています。
さらに、骨の健康に関わるビタミンKや、エネルギー代謝を助けるナイアシンも豊富です。
一緒に調理するグリーンアスパラガスは、ビタミンCやルチンといった抗酸化物質を補給し、料理に彩りだけでなく栄養バランスの向上ももたらします。
アスパラガスに含まれる食物繊維は、脂質の吸収を穏やかにする効果も期待できます。
美味しさの秘訣は、いくつかの調理科学に基づいた技術にあります。
まず、鶏皮をカリッと「ドライ焼き」すること。
骨付き肉は内部の水分が抜けにくい反面、焼いていると表面に余分な脂が浮きやすい性質があります。
この脂を途中で丁寧に拭き取ることで、後から加えるバターの風味が濁らず、クリアな味わいを実現します。
次に、にんにくとバターで作る「ガーリックバターのエマルジョン(乳化)」。
バターの油脂とにんにくの香り成分が混ざり合い、そこへしょうゆなどの水分ベースの調味料が加わることで部分的に乳化し、ソースのような状態になります。
これにより、短時間で鶏肉全体に味が均一に絡みつきます。
そして仕上げのソースは、しょうゆに含まれる還元糖とアミノ酸が、フライパンの余熱で穏やかなメイラード反応(アミノカルボニル反応)を起こし、香ばしい風味を引き立てます。
このメイラード反応は、通常200℃前後の高温で活発になり、食品に美味しそうな焼き色と複雑な風味をもたらす重要な化学反応です。
パンチが決め手!鶏スペアリブにんにく焼き材料
この食欲をそそるソテーを作るための材料(2~3人分)は、以下の通りです。
シンプルながら、それぞれの素材が持つ特徴を最大限に活かせる組み合わせです。
- 鶏スペアリブ(鶏手羽中を半分に割ったもの) : 12~15本 (約330g)
- グリーンアスパラガス : 3~4本 (80~100g)
- にんにく : 大2かけ
- 〖A〗酒 : 大さじ1
- 〖A〗しょうゆ : 小さじ1
- 塩 : 小さじ1
- 黒こしょう(粗びき) : 少々
- サラダ油 : 小さじ1
- バター : 大さじ1
- 酒(仕上げ用) : 適量(番組テキストでは分量記載なし、工程内で風味付けに使用)
にんにくは粗みじんにすることで香りが立ち、料理のアクセントになります。
鶏スペアリブは手頃な価格で手に入りやすく、骨からの旨味も楽しめます。
グリーンアスパラガスは彩りと食感、栄養をプラスしてくれます。
やみつき注意!鶏スペアリブにんにく焼き作り方
それでは、具体的な作り方を見ていきましょう。
簡単なステップで、驚くほど美味しい一皿が完成します。
下ごしらえ
まず、素材の準備から始めます。
このひと手間で仕上がりが格段に良くなります。
- アスパラガスの準備 : グリーンアスパラガスは根元の硬い部分(下から3cmほど)の皮をピーラーなどでむき、長さを4cmに切ります。
- にんにくの準備 : にんにくは大2かけを粗みじん切りにします。細かくしすぎないことで、食べた時の風味と食感が際立ちます。
- 鶏スペアリブの下味 : 鶏スペアリブは紙タオルで表面の水分をしっかりと押さえます。これにより、皮がパリッと焼き上がりやすくなります。塩小さじ1と粗びきの黒こしょう少々を全体にまぶし、特に骨の際に擦り込むようにすると味が中まで浸透しやすくなります。
焼成
次に、鶏スペアリブを焼き上げていきます。
火加減と焼き方がポイントです。
- 鶏スペアリブを焼く : フライパンにサラダ油小さじ1をひき、中火で熱します。鶏スペアリブの皮側を下にしてフライパンに並べ入れます。
- じっくり火を通す : 皮がカリッときつね色になったら上下を返し、火を弱めの中火に落とします。蓋はせずに、合計で7~8分間かけて中までじっくりと火を通します。この間、鶏肉から出てくる余分な脂をこまめに紙タオルで吸い取ります。これにより、油っぽさがなくなり、油酔い臭も抑えられます。
- アスパラガスを加える : 鶏肉にほぼ火が通ったら、準備しておいたグリーンアスパラガスを加え、一緒に炒め合わせます。皮付きの肉を直接焼くことでメイラード反応が進み、表面温度が200℃前後になるとアミノカルボニル反応によって香ばしい風味と美味しそうな焼き色が生まれます。
香り付けと仕上げ
最後に風味を加え、照りよく仕上げます。
- バターとにんにくを炒める : 鶏スペアリブとアスパラガスに完全に火が通ったら、フライパンの片側に寄せます。空いたスペースにバター大さじ1を溶かし、粗みじんにしたにんにくを加えます。にんにくが焦げる直前の薄いきつね色になるまで炒め、豊かなガーリックバターの香りを引き出します。焦がしてしまうと苦味が出てしまうので注意が必要です。
- 調味料を加えて絡める : にんにくの良い香りが立ったら、混ぜ合わせておいた〖A〗の調味料(酒大さじ1、しょうゆ小さじ1)を全体に回し入れます。強火にして手早く全体にからめ、照りを出します。酒のアルコール分は約30秒ほど加熱することで飛び、しょうゆに含まれるグルタミン酸(うま味成分)とにんにくの硫黄化合物が反応し、旨味の相乗効果が生まれます。ここで、もしあれば仕上げ用の酒を少量加えると、さらに風味が良くなります。
これで、香ばしくてジューシーな「鶏スペアリブのにんにく焼き」の完成です。
まとめ:鶏スペアリブにんにく焼きの魅力と手軽さについて
藤野嘉子さんによる「鶏スペアリブのにんにく焼き」は、手羽中という手軽な部位を使いながらも、調理のポイントを押さえることで格段に美味しく仕上がる一品です。
皮はカリッと香ばしく、身はジューシーで、にんにくとバターの風味が食欲を刺激します。
特別な日のごちそうにも、普段の食卓のメインディッシュとしても大活躍間違いなし。
ぜひこのレシピで、鶏肉料理の新たな魅力を発見してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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