2025年5月11日に放送されたNHK「うまいッ」の特集「あふれ出すうまみ!極上地鶏“土佐ジロー”~高知・安芸市~」をご覧になりましたか?
この放送では、高知県安芸市が誇る希少なブランド地鶏「土佐ジロー」と、その魅力を最大限に活かした絶品「土佐ジローの親子丼」が紹介されました。
この記事を読めば、番組で紹介された高知市内の和食居酒屋の料理人・松井さん直伝の「土佐ジローの親子丼」の詳しいレシピが分かります。
材料から作り方のコツ、さらには土佐ジローという鶏がなぜそれほど美味しいのか、その秘密に至るまで、ご家庭で本格的な味を再現するための情報を余すところなくお届けします。
ぜひ、最後までご覧いただき、極上の親子丼作りに挑戦してみてください。
うまいッ 極上地鶏「土佐ジロー」高知・安芸市!
2025年5月11日の「うまいッ」では、高知県安芸市で愛情込めて育てられている希少な地鶏「土佐ジロー」が特集されました。
番組では、その生産背景から美味しさの秘密、そして土佐ジローを代表する料理として「親子丼」が紹介され、多くの視聴者の食欲をそそりました。
土佐ジローの親子丼 紹介
「土佐ジローの親子丼」は、土佐ジローの肉と卵、両方の魅力を一つの丼で堪能できる、まさに究極の家庭料理です。
土佐ジローは、高知県原産の天然記念物「土佐地鶏」の雄と、卵をよく産む在来種「ロードアイランドレッド」の雌を交配して生まれた一代雑種(F1)で、その特徴を余すところなく味わえます。
土佐ジローの肉は、雄の場合、出荷までに約150日という長い期間をかけてじっくり育てられます。
体重は約1.5kgと小ぶりですが、その肉質は一般的な鶏肉と比較して、旨味成分であるグルタミン酸などのアミノ酸が約1.4倍も含まれている一方、脂質は約6分の1と非常にヘルシー。
噛むほどに野趣あふれる豊かなコクと、しっかりとした歯ごたえが楽しめます。
飼育は放し飼いが基本で、緑餌(りょくじ:草などの緑の餌)を与え、雄と雌を一緒に飼うなど、土佐ジロー協会が定める厳格な基準を満たした認定農家だけが「土佐ジロー」として出荷できます。
主に高知県安芸市で生産され、月間の出荷量は雄が約850羽、雌が約300羽と非常に少なく、その希少性も特徴の一つです。
卵もまた格別です。
Sサイズ相当と小ぶりながら、黄身が驚くほど大きく、濃厚でコクがあり、箸で持ち上げられるほどの強い粘弾性を持っています。
この濃厚な卵が、親子丼をとろりとした絶妙な食感に仕上げてくれるのです。
番組でレシピを実演したのは、高知市内の和食居酒屋の料理人・松井さん。
彼が提案する親子丼は、土佐ジローのポテンシャルを最大限に引き出す工夫が凝らされています。
今日の逸品!準備する材料はこちら
それでは、番組で紹介された「土佐ジローの親子丼」の材料(2人分)を見ていきましょう。
シンプルながら、一つ一つの素材が美味しさを引き立てます。
- 土佐ジローのもも肉 : 適量(大きめと小さめにカット)
- 玉ねぎ(スライス) : 1/2個分
- 土佐ジローの卵 : 2個
- ご飯 : 茶碗2杯分
- しょうゆ(割り下用) : 大さじ2
- みりん(割り下用) : 大さじ2
- 砂糖(割り下用) : 小さじ2
- だし(割り下用) : 100ml
土佐ジローのもも肉は、そのしっかりとした食感と溢れる旨味が特徴です。
割り下は、醤油、みりん、砂糖、だしという基本的な調味料で作りますが、その比率が土佐ジローの繊細な風味を活かす鍵となります。
醤油とみりんを同量、だしをその約5倍量にすることで、塩分を抑えつつ、だしに含まれるイノシン酸と土佐ジローの肉に含まれるグルタミン酸との相乗効果で、旨味が飛躍的に高まります。
この組み合わせにより、旨味の感じ方が理論上3倍以上にも増強されるのです。
お家で再現!プロ直伝の作り方
調理時間はおよそ10分。
手軽にプロの味を再現できる作り方をご紹介します。
いくつかのポイントを押さえるだけで、格段に美味しく仕上がります。
- 割り下準備 : 小鍋にしょうゆ(大さじ2)、みりん(大さじ2)、砂糖(小さじ2)、だし(100ml)を合わせ、軽く温めて砂糖を溶かしておきます。
- 肉の準備 : 土佐ジローのもも肉は、食感を楽しむための大きめのカットと、割り下とよく絡む小さめのカットの2種類に切り分けます。この「大小二段カット」が、食べるごとに異なる楽しみを与えてくれます。
- 煮る : 親子鍋または小さめのフライパンにスライスした玉ねぎと準備した肉を並べ入れます。ここでポイントなのが、玉ねぎを肉の上に被せずに並列に置くこと。これにより、玉ねぎの水分が直接割り下に溶け出し、短時間で自然なとろみが生まれます。そして、①の割り下を加えて中火で加熱し、肉の旨味をじっくりと煮出します。
- 卵投入 : 肉に火が通り、玉ねぎがしんなりしたら、軽く溶いた土佐ジローの卵(2個)を回し入れます。卵を完全に固めるのではなく、火を止める直前まで、卵黄の凝固温度である約70℃を超えないように、やさしく火を通すのがコツです。これにより、卵は半熟でとろりとしたクリーミーな層を保ち、濃厚な黄身のコクが前面に出ます。土佐ジローの卵は粘性が高いため、この程度の加熱でも形が崩れにくいのが特徴です。
- 盛り付け : 温かいご飯(茶碗2杯分)を丼によそい、④をふんわりとのせれば完成です。
完成した親子丼は、まず土佐ジローの肉の野趣あふれる香りが立ち上り、一口食べると、噛むほどに染み出す肉の力強い旨味と、それを優しく包み込む卵の濃厚なコクが見事に調和します。
割り下は、一般的な親子丼よりも甘さや辛さを抑えた淡麗な味わいに設計されているため、土佐ジローの繊細な脂の風味や、凝縮された旨味がダイレクトに感じられます。
番組のレポーターが「肉の香りが後から押し寄せてくる」と評していましたが、これは低温でじっくり旨味を煮出すことで、肉の揮発性の香り成分が損なわれずに保たれるためです。
高知県安芸市の山間部では、古くから庭先で鶏を飼う文化が根付いており、土佐ジローは「自給自足を支えた鶏」とも呼ばれています。
生産者は「鶏を鶏らしく育てたい」という想いから、鶏たちがストレスなく健康に過ごせるように配慮した飼育方法(アニマルウェルフェア)を実践しています。
この親子丼は、単なる美味しい郷土料理というだけでなく、そうした生産者の理念や高知の豊かな風土、そして持続可能な畜産への願いが込められた一品と言えるでしょう。
まとめ:絶品!土佐ジロー親子丼の魅力について
土佐ジローの親子丼は、希少な地鶏の肉と卵、それぞれのポテンシャルを最大限に引き出した、合理的かつ贅沢な料理です。
肉の切り方一つ、割り下の配合一つにも、素材を活かすための深い理由がありました。
高知の豊かな自然と生産者の情熱が生んだ土佐ジローを、ぜひご家庭で味わってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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