2025年4月26日放送の「サタデープラス」の人気コーナー「うっかりファミリー」では、毎日の食卓に欠かせない「お肉」を、もっと美味しく、もっと安全に楽しむためのテクニックが紹介されました。
この記事を読めば、番組で取り上げられた豚肉の驚くほど柔らかくなる調理法(生姜焼き、冷しゃぶ、野菜炒め)や、スーパーで新鮮なひき肉・鶏肉を見抜くコツ、そして買ったお肉の美味しさを長持ちさせる冷凍保存&解凍の秘訣まで、すぐに実践できる情報が満載です。
なぜその方法が良いのか、科学的な理由も交えて分かりやすく解説しますので、料理の腕がワンランクアップすること間違いなしです。
生姜焼き:パサつき解消!味付けのタイミングが鍵?
豚の生姜焼き、定番ですがお肉が硬くなりがちではありませんか?
その原因、もしかしたら下味の付け方にあるかもしれません。
番組で紹介されたコツは、「調味料(特に塩分を含むもの)に事前に漬け込まない」こと。
なぜなら、塩分の高い調味液に長時間漬けてしまうと、「浸透圧」という力によって肉の中の水分が外に出てしまい、焼いたときにパサパサになってしまうのです。
肉の細胞膜は水分を通しやすいのですが、塩分は通りにくい性質を持っています。
そのため、外側の塩分濃度が高いと、内と外の濃度を均一にしようとして、中の水分だけが吸い出されてしまうのです。
ではどうすれば良いかというと、「調理の過程で調味料を加える」のが正解。
炒めている途中でタレを絡めるようにすれば、塩分がお肉に作用する時間が短くなり、水分が過剰に抜けるのを最小限に抑えられます。
高温・短時間で仕上げる炒め物では特に、調理前の水分キープがジューシーさの鍵となります。
冷しゃぶ:衝撃!水から茹でるだけで驚きの柔らかさ
夏の定番、豚の冷しゃぶサラダ。
お肉を柔らかく仕上げるには、茹で方にちょっとしたコツがあります。
やってしまいがちなのが、「沸騰したお湯(100℃)でさっと茹でる」こと。
しかし、これはNG。
お肉の主成分であるタンパク質は、高い温度にさらされると急激にギュッと縮んで硬くなってしまいます。
特に、筋肉のタンパク質であるミオシンは約50℃から、アクチンは約66℃から構造が変化し始め、この変化が急激だと、お肉の中の美味しい肉汁まで絞り出されてしまうのです。
沸騰したお湯に入れると、肉の表面温度が一気に100℃近くになるため、タンパク質が驚いて強く収縮し、硬い食感になってしまいます。
番組おすすめの正しい方法は、「水の状態から茹で始める」こと。
鍋に水とお肉を入れ、ゆっくりと火にかけていきます。
水の温度と一緒に肉の温度も徐々に上がっていくため、タンパク質の収縮が穏やかに進みます。
特に、お肉が硬くなり始める約65℃以上の温度帯をゆっくり通過させることで、急激な収縮を抑え、肉汁の流出を最小限にできます。
結果、驚くほど柔らかく、ジューシーな冷しゃぶが完成します。
野菜炒め:弱火でじっくりが正解?肉を柔らかくするコツ
豚肉を使った野菜炒め、お肉が硬くならずに美味しく作るには、火加減がポイントです。
番組では「弱火でじっくり炒める」方法が良い(OK)と紹介されました。
これは、冷しゃぶの原理と同じで、お肉のタンパク質の急激な熱収縮を避けるためです。
肉のタンパク質は、約65℃を超えると急速に縮んで硬くなる性質があります。
弱火(低温)で加熱することで、肉内部の温度上昇を緩やかにし、硬くなる温度帯をゆっくり通過させます。
これにより、肉汁の流出を抑え、お肉の柔らかさを保ちやすくなるのです。
理想的には、肉の中心温度が最も柔らかいとされる60℃前後をキープしながら火を通すのが良いとされます。
この方法は、特にお肉の柔らかさを最優先したい場合に有効です。
脂身の多い部位なら、弱火でじっくり加熱することで余分な脂が溶け出し、さっぱりと仕上げる効果も期待できます。
ひき肉選び:新鮮さの見分け方!ひき目は要チェック
ハンバーグやミートソースなど、使い勝手の良いひき肉。
加工されている分、新鮮さの見極めが少し難しいですが、ポイントを押さえれば大丈夫です。
番組で紹介された見分け方のコツは、「ひき肉の表面のひき目がはっきりしている(明確な)ものを選ぶ」こと。
挽きたてのひき肉は、一つ一つの肉片の輪郭がしっかり見えます。
これが新鮮さの証です。
時間が経過して鮮度が落ちてくると、肉の組織が少しずつ変化したり、ドリップ(肉汁)が滲み出たりして、肉片同士がくっつきやすくなり、表面全体がなめらかに見えるようになります。
色も重要なチェックポイント。
新鮮な肉は空気に触れると鮮やかな赤色になりますが、時間が経ち酸化が進むと茶色っぽく変色します。
ただし、パックの内部など空気に触れていない部分が暗赤色なのは、必ずしも鮮度低下ではありません。
もう一つ注意したいのが、パックの底に溜まっている赤い液体、ドリップです。
これは単なる水分ではなく、肉のうま味成分や栄養素が含まれています。
ドリップが多いということは、それだけ美味しさが流れ出てしまっている証拠。
衛生面からも避けた方が良いでしょう。
ひき肉は空気に触れる面積が広く傷みやすいので、新鮮なものを選びたいですね。
鶏肉選び:プリプリ鶏肉はコレ!皮の毛穴とハリに注目
唐揚げや照り焼きなど、人気の鶏肉。
新鮮で美味しいものを選ぶには、どこを見れば良いのでしょうか?
皮付きの鶏肉の場合、番組おすすめのチェックポイントは「皮の毛穴がよく目立っている(盛り上がっている)か」どうか。
新鮮な鶏肉の皮は、組織にハリがあるため、毛穴がキュッと収縮して盛り上がって見えます。
時間が経って鮮度が落ちると、皮の組織が緩んできて、このハリが失われ、毛穴は平らになり目立たなくなります。
皮が付いていない場合や、皮付きでも確認したいポイントは、「ドリップが出ていないか」そして「肉に弾力・ハリがあるか」です。
ひき肉と同様、パックにドリップが多く出ているものは、うま味や栄養が流出して品質が落ちています。
また、新鮮な鶏肉は、指で軽く押すとすぐに元の形に戻るような、しっかりとした弾力とハリがあります。
鮮度が落ちると、この弾力が失われ、ぶよぶよとした感触になります。
色も大切です。
新鮮な鶏むね肉などは、透明感のあるきれいなピンク色をしていて、表面にはみずみずしいツヤがあります。
鮮度が落ちると、透明感がなくなり白っぽく濁ったり、色がくすんだりします。
これらの点をチェックして、美味しい鶏肉を選びましょう。
冷凍保存:パックのままはNG!酸化と乾燥を防ぐテク
お肉を買いだめしたとき、冷凍保存は便利ですが、やり方を間違えると美味しさが半減してしまうことも。
よくやってしまいがちなのが、「買ってきたパックのまま冷凍庫に入れる」こと。
これはNGです。
パックの中には空気が含まれており、肉が空気に触れることで、特に脂肪分が酸化してしまいます。
酸化が進むと、変色したり、「冷凍焼け臭」と呼ばれる嫌なニオイが発生したり、風味が落ちたりする原因になります。
また、発泡スチロールのトレイは断熱性が高いため、冷凍に時間がかかり、品質低下を招くこともあります。
番組推奨の正しい冷凍法は、まず「肉の表面についているドリップをキッチンペーパーなどで拭き取る」こと。
ドリップは臭みの原因になったり、大きな氷の結晶を作る原因になったりします。
次に、「空気をしっかりと抜きながらラップで小分けにしてぴったりと包む」こと。
さらに冷凍用の密閉保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍します。
こうすることで、肉が空気に触れるのを最小限に抑え、酸化を防ぎます。
もう一つの劣化原因である「乾燥(冷凍焼け)」も、ラップや保存袋でしっかり密封することで防げます。
冷凍庫内は乾燥しているため、肉の表面の水分(氷)が蒸発してパサパサになってしまうのを防ぐのです。
さらに美味しく冷凍するコツは、「急速冷凍」。
肉を薄く平らにしたり、熱伝導の良い金属製のバットに乗せたりして冷凍庫に入れると、早く凍らせることができます。
早く凍らせるほど、肉の細胞を壊す大きな氷の結晶ができにくくなり、解凍時のドリップ流出を抑えられます。
解凍方法:美味しさキープ!冷蔵庫での低温解凍がベスト
冷凍したお肉、いざ使おうという時の解凍方法も、美味しさを左右する重要なポイントです。
番組で推奨されていたのは、「冷蔵庫の中でゆっくりと時間をかけて解凍する」方法。
これが、品質維持と食中毒予防の両面から最も優れた方法です。
まず品質面では、ドリップの流出を最小限に抑えられます。
冷凍中にできた氷の結晶が溶ける際、温度変化が急激だと肉の細胞組織を傷つけ、うま味成分を含むドリップがたくさん出てしまいます。
冷蔵庫内(通常0℃~5℃程度)での解凍は、温度変化が非常に緩やかなため、氷がゆっくり溶け、細胞へのダメージが少なく、ドリップの流出を最小限に抑えられるのです。
食品安全の面では、食中毒の原因となる細菌の増殖を抑える効果が非常に大きいです。
多くの食中毒菌は、約5℃から60℃の温度帯(特に20℃~50℃が危険温度帯)で活発に増殖します。
常温で解凍すると、特に気温が高い季節は、肉の表面温度がすぐに危険温度帯に達してしまい、細菌が増殖するリスクが高まります。
一方、冷蔵庫での解凍なら、肉全体の温度が常に低い状態(細菌が増殖しにくい温度)に保たれるため、食中毒のリスクを大幅に減らすことができます。
時間はかかりますが、美味しさと安全のためには、冷蔵庫でのゆっくり解凍がベストです。
まとめ:サタプラ流!肉を格上げする簡単テクニックについて
今回は、「サタデープラス(うっかりファミリー)」で紹介された、お肉を美味しくするための調理法、選び方、保存・解凍法について解説しました。
生姜焼きや冷しゃぶの調理のコツ、新鮮なひき肉や鶏肉の見分け方、そして冷凍・解凍の正しい方法など、科学的な根拠に基づいたテクニックばかりです。
これらのちょっとした工夫で、いつものお肉料理が格段に美味しく、安全になります。
ぜひ今日から試してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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